兵庫県立こども病院で医療ミス-女児の足指3本壊死切断
兵庫県は8月21日、神戸市須磨区にある「兵庫県立こども病院」で、生後1ヶ月の女児に通常の10倍の量にもなる抗生物質を誤って投与したとされる医療ミスがあったと発表しました。
副作用により女児の右足の指3本は壊死(えし)し、切断を余儀なくされました。病院は医療ミスを認めるとともに、家族に謝罪。女児は歩行に影響が出るとみられ、県は今後、補償する見込みといいます。
事故の詳細
県によると、県立こども病院は今年6月28日、先天性の心臓疾患で入院中していた生後1ヶ月の女児が発熱していた際、30歳代の循環器科の女性医師が抗生物質「バンコマイシン」40ミリグラムの投与を決めたといいます。
20歳代の女性看護師に準備を指示したものの正しく伝わらず、看護師は規定の10倍である400ミリグラムを用意し、医師が右足首から全て点滴。
点滴開始からおよそ1時間40分後、異常を知らせる警報が鳴り、確認すると女児の足が変色していたため、投与を中断したといいます。
しかしその時点で医療ミスには気付かず、3日後に看護記録を調べたことで過剰投与が発覚しました。
バンコマイシンの血流を阻害する副作用のため、女児の右足の小指と薬指、中指の一部は壊死し、今月8月6日に切除手術を行なったとのことです。
病院は高濃度の抗生物質により足の血管が詰まったのが原因とみています。
事故原因について兵庫県は「医師が看護師に処方箋ではなく口頭で指示を行ない、看護師もそれを復唱しなかったとする、初歩的なミス」としています。
本来、点滴の際には量などを処方箋に記すか、口頭の場合でも復唱して確認する規則だったのに対し、事件当時は守られていませんでした。
病院側は再発防止策を徹底し、女児側に対しては今後、歩行などへの影響を見極め、保証していくとのことです。
県病院局企画課の斉藤芳樹課長は「基本ルールが徹底されていなかった。あり得ないミスで申し訳ない」とコメントしています。
そんなもの?
8月21日の午後に県立こども病院が会見を行なっていましたが、あまり謝罪・反省の意が伝わってきませんでした。
本来、こういった事故が起きた場合、病院の上の方たちが一斉に深々と頭を下げ「申し訳ありませんでした」というような形で謝罪するものではないでしょうか。
もちろん、被害者は女児とその家族であり、ニュースの視聴者では無いのですが。
「医師が看護師に処方箋ではなく口頭で指示を行ない、看護師もそれを復唱しなかったとする、初歩的なミス」というコメントも、なんだかこの度の医療ミスにより起きた結果の重大性を本当に認識しているのか、疑問に思います。
女児の家族の方々が病院側の謝罪や保証の内容に納得しているのであればまだ良いですが、私が女児の親だったならば、激怒すると思います。
先天性の心臓疾患だけでも辛いのに、それだけでなく足の指まで切断されるなんて、耐えられません。
先天性心臓疾患は「運」であったとしても、この医療ミスは完全に運が良い悪いという話ではなく、人工的なものですよね。
病院側は、家族の方としっかり誠意のある協議をしていただきたいです。
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