大学生殺人事件で幼なじみを逮捕-山形酒井
■ 最終更新■
2013年5月、山形県酒田市のアパートで、東北公益文科大学の男子大学生である設楽亮介さん(当時19)が遺体として見つかった事件。
同大学2年生の学生で、酒田市内に住む20歳の大学生(当時19歳)が8月23日、殺人容疑で逮捕されました。容疑者は23日(金)に、父親に付き添われ警察署へ出頭(自首)してきたそうです。
容疑者は「自分がやったことで間違いない」「ねたみがあった」「以前から恨みがあった」などと供述。容疑は認めていますが、明確な謝罪はないといいます。
容疑者と設楽さんは小・中学校と同じ学校の幼なじみで、別々の高校に進学したものの大学で再開。同じ専攻コースで、2人とも弓道部と天文部に所属し部活動も一緒でした。
事件の詳細
事件は今年の5月に酒田市内のアパートで起きたもので、事件現場となった設楽さんの部屋のドアや窓の鍵はかかっており、密室状態でした。
事件発生直後から一部の学生の間では、このたび逮捕された容疑者が「犯人ではないか」との噂が広まっていたといいます。捜査本部も早い段階でこうした情報を得ていました。
しかし、警察は8000人以上の捜査員を導入して犯人特定を急ぎましたが、有力な手掛かりは見つからず捜査は難航、今回の容疑者の自首が無ければ、迷宮入りとなっていた可能性もあります。
設楽さんの頭部には打撲痕が複数あり、背中にも複数の刺し傷がありました。背中の刺し傷は10cm以上と深く、臓器まで深く達していました。
殺害後からの容疑者の行動
・5月27日、設楽さんを殺害。→事件後も、特に学校を休むことなく通学。
・5月29日、遺体発見。→この日、近所の酒店でアルバイトの面接を受けていた。
・6月1日、上記の酒店のバイトのシフトが組まれていて初出勤予定日だったのに対し、「設楽君の葬式があるので、当面働くのを待ってほしい」と電話を欠勤。
・6月3日、告別式に参列
・6月3日夜、記者からの取材に応じ「(設楽君は)同級生だが、知らない」と回答。しかし数分後に記者が再度部屋を訪れてインターホン越しに質問すると「実は友達だった」と説明を一転。「もう言うことはない」と一方的に話を打ち切る。
・8月23日、容疑者を殺人容疑で逮捕。
容疑者の過去
・1993年、誕生。
・2000年頃~、設楽さんと同じ山形市内の公立小中学校に通う。
・2009年頃~、私立高校に進学。(設楽さんは県立高校)
・2012年4月、東北公益文科大学に入学。設楽さんと再会。
・2012年4月~5月、寮生共有のゲーム機を壊したり、友人が所有するポスターを破ったりした。また、お金を盗んだなどの疑いもあった。
・2012年5月、学生寮の学生たちから窃盗の疑いをかけられ、寮を出ていく。
・2012年9月、大学の弓道部で物が盗まれたり壊されたりする事件が相次いで発生。(弓道の的27個の的部分がカッターナイフのようなもので切り抜かれる、的の土台となる「安土」と呼ばれる部分が10ヶ所ほど崩される。設楽さんの、筒に収納された矢がなくなるなど)
容疑者は大学に入学したころから数々のトラブルを起こしていたとみられ、警察は、上記の2012年4月~起きている一連の嫌がらせ行為を容疑者によるものとみています。
また詳細な時期は不明ですが、去年の東北大会への選手選抜で、設楽さんは1年生で唯一の代表となり、容疑者は選考からもれたということもあったようです。
遺族や関係者、同級生からのコメントなど
設楽さんの父親
「犯人が逮捕されたことで、亮介も安心していると思う」
「鉄の棒でたたいで、刺したというやり方が、残酷すぎる。憎いし、許すわけにはいかない」
「うそだろうな、という感じで、でもよく見てみると本人なんだなって。どうしてこんなことになったのだろう、なぜ殺されたのだろうという感じでいっぱいでした。大学に行ってからだんだん頼もしくなったな、っていう感じはあって、今度は息子にも少し頼れるんじゃないかなって感じていたところ、こういう事件があって、もう戻ってこないのだなって感じで…悔しい思いでいっぱいです」(Q.初めて警察で息子を見た時は?)
設楽さんや容疑者に対する印象
同じ大学の学生(設楽さんの印象について)
「明るくて交友関係が広くて、いつも丁寧に接してくれた。心置きなく話せる人でした」
「講義も休まないで、真面目な子だと聞いてました」
同じ大学の学生(容疑者の印象について)
「切れたら何をしでかすか分からないタイプ」
「(容疑者が)1年生の時から悪い話題が絶えない子だった。みんなと馴染めず、みんなの輪に入れてない感じ。孤立していた」
元寮長の学生(容疑者の印象について)
「(容疑者が)入学した当初から、後輩の財布の中から保険証と学生証と、あと何千円か盗まれてたり。自分たちとしては(容疑者を)疑ったりもしてたんですけど、(容疑者は)『絶対違う』と」
2人の地元の同級生
「(2人は)小学校の時はすごく仲が良くて、結構遊んだりもしていた。(容疑者は)クラスでもおとなしい方で、休み時間とかもよく1人で読書とかしていた。キレたり暴力的なところは一切なかった」
「(2人は)小学校の時はよく一緒に遊んだり自分たちから見たら、仲が良いなという関係に見えました」
「(容疑者は)キレるとちょっと、暴力的なところもありました」
設楽さんと容疑者が所属していた弓道部の元コーチ
「設楽君がアドバイスをするっていう面があったかなと思いますね。ただ、2人とも一生懸命取り組んでいたということを記憶しています」
「技術的な面の差というのを自分で感じた時には、妬みみたいなものも出てくるのではないかな」
容疑者の中学校での卒業文集
タイトル:「闘いの三年間」
本文:「毎日が闘いだった。部活と闘い。テストと闘い。眠気と闘い。自分と闘い。弱い心と闘い。ずっと戦い続けて、全てに勝ってきた。だから最後の闘いも、負けられない。そして未来へ勝ち進む」
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