町田市成瀬で火事-出火元はシバタテクラム

■2014/5/15　11：38 最終更新■

速報情報 – 随時更新

・５月１５日午前、完全鎮火。午後から現場検証を進める予定
・２人が意識不明の重体、１人が全身ヤケドの重傷、５人が比較的軽傷
・シバタテクラムは2010年、町田市内の別の場所から工場を移転した際、都の条例で認可の申請をしなければならなかったが、指導を無視して無認可で操業を続けていた
・シバタテクラムは別の工場で過去２回火事を起こしていた
・岐阜県土岐市の金属加工会社で起きた2012年5月の火災では、マグネシウム約200トンを保管する倉庫が燃え、鎮火までに6日間かかったケースも
・出火原因は、建物1階の倉庫で作業員がはんだ付けの作業をしていたところ火花が出て、それがマグネシウムに引火したとみられる

負傷者の内訳

項目	人数など
ケガ人の数	８人（シバタテクラムの従業員で、20代～60代の男女）
（重体	２人（40代と60代男性・意識不明）
（重傷	１人（30代男性・全身ヤケド）
（比較的軽傷	５人（20代～30代の男女）

火事の詳細 – 町田市成瀬

東京都町田市成瀬にある工場で５月１３日、火事が発生しました。同日午後４時１５分ころ、「町田市成瀬の金属加工会社で爆発音がして、黒煙が凄い」「町田市成瀬の建物から出火している」などと110番通報や119番通報があったことで火災が発覚。

現場には東京消防庁の消防車約６０台など、消防隊員が多数駆けつけ、懸命に消火活動を行なっています。

火事が起きたのは町田市成瀬5038-1にある金属加工会社「株式会社シバタテクラム」で、主にマグネシウム合金の加工などを行なっている工場。

従業員らは工場内から外に避難しているとのことですが、建物からは大量の黒煙が立ち上っており、火災の大きさが伺えます。消防は、逃げ遅れた従業員がいないかなどの確認も行なっています。

発表によると、この火災により現時点で少なくとも従業員８人の重軽傷者が出ており、うち１人は意識不明の重体とのことです。いずれも病院に運ばれ、手当てを受けています。

確実な出火原因は今のところ不明ですが、関係者の話によると「１階の倉庫で、マグネシウムとアルミニウムが何らかの理由で発火した」ということです。（20:10追記：作業員がはんだ付けの作業をしていたところ何らかの原因で火花が出て、それがマグネシウムに引火したとみられることが判明）

既に工場１階と２階合わせて1400平方メートルが焼けているとの情報もありますが、未だ延焼中のため、面積はさらに増える見込みです。現場の建物では、マグネシウムが激しく炎上しているとみられます。

東京消防庁によると、マグネシウムは水と化学反応を起こして爆発する危険性もあることから、マグネシウムが燃えている部分への直接の放水が出来ないとのこと。よってマグネシウムが燃えている場所には砂をかけ、延焼を防ぐために周辺へ放水するという形で対応しています。

以上のような消火方法を取っているため、鎮火するまでには時間がかかる可能性が高いのではないかと推測されます。

付近の住民によると「『バーン！バーン！』と爆発音のような凄い音が何十回も聞こえた」というような証言もあり、既に何らかの化学反応が起こっている可能性もあります。

なお、現場は住宅街ですが、近隣住宅への延焼は確認されていません。
詳しい情報が入り次第、随時更新していきます。

今後の消火活動（5/13 23:00執筆）

燃えているマグネシウムに直接水をかけることが出来ないことから現在、消防は打つすべがない状態とのことです。

もし燃焼中のマグネシウムに水が触れると、分解して水素と酸素が発生。爆発する可能性があるほか、燃焼スピードが加速されたりすることがあるといいます。

そのため消火するためには、マグネシウムの表面を覆い空気を遮断して消火する必要があるといい、水ではなく砂・鉄粉・消火剤などを使わなければならないようです。

そのためには火元に近付かなければなりませんが、今は火が強く燃え盛っていますので、近付こうにも近付けない状態。

延焼を防ぐための放水など最低限の対応はするものと思われますが、現場では「明日１４日の早朝くらいまでは見守るほかない」との声があがっているようです。

火の勢いが弱まるのを待つのか、マグネシウムの量が減るのを待つのか、その意図に関する詳細は不明ですが、明朝から消火活動を再開し、火元に近付いてから砂などを使って消火活動を行うものと思われます。

2012年5月に岐阜県土岐市の金属加工会社（マグネシウム約200トンを保管）で火災があった時には、火の勢いが収まるまでに約１５時間、完全鎮火までに６日間かかったという事例もあります。

シバタテクラムの場合はマグネシウム80キロとアルミニウム20キロで、岐阜県土岐市の火災の時と比べて保管量が少ないためそこまで長期化するかどうかは不明ですが、いずれにせよ早期解決というわけにもいかず、長期戦になるものとみられています。

町田市は現場付近の住民らに対して、防災無線などを使い、外出を控えて煙を吸わないようにするよう注意を呼び掛けました。一部の住民は、実際に近くの体育館に避難しています。

夜を徹して消防が延焼しないよう警戒に当たるようですが、近隣住民の方は念のため、十分にお気を付けください。

ほぼ鎮火（5/14 17:30執筆）

東京消防庁によると５月１４日午後４時半過ぎ、火はほぼ消し止められたということです。火災は収束し、住民の避難も解除されました。

しかし完全にはまだ鎮火しておらず、消防隊員らがマグネシウムに砂をかけ温度が下がるのを待つなど、手作業での消火活動が続いています。

明日５月１５日は雨が降る可能性があるとして、東京消防庁は「今日中には消火活動を終えたい」とコメント。本日中の鎮火を目指しています。

（その後、5/15午前に鎮火しました）

Twitterでの反応

シバタテクラムとは

シバタテクラムの概要

項目	内容
社名	株式会社シバタテクラム
本社	神奈川県横浜市都筑区荏田東4-39-54
工場	東京都町田市成瀬5038-1
代表取締役	柴田文夫
設立	1973年6月
資本金	1000万円
従業員	45名

業務内容

主な業務はマグネシウム合金（AZ91D）の超薄型鋳造後の機械仕上加工（バリ取り、ねじ、タップ切り、表面磨き等）で、製品塗装の前段階までの作業を行っています。
生産は、汎用機に自社開発の専用機能を持たせ、その上自社で製作した治具を準備することで、量産品（パソコンケース、携帯端末他）から多品種少量生産（業務用ビデオカメラ他）まで柔軟に対応できる効率的な生産を行っています。

出展：flash_site06

火事現場（株式会社シバタテクラム）場所の地図