高校生のネット利用を調査-依存症がヤバい？

総務省と東京大学が協力して今年１月に共同調査を行い、若者のインターネット利用に関する分析を行なっていましたが、その調査内容が５月１４日発表されました。

調査を行なったのは、総務省の情報通信政策研究所および東京大学情報学環の橋元良明教授ら。

この発表によると、東京都の高校生がスマホなどの携帯電話でインターンネットを使う時間は、１日平均２時間４２分とのこと。

調査の対象は、東京の都立高校１５４校に通う高校生男女約１万５０００人。「暇さえあればスマホ」が42.6%、「ネット依存症だと思う」が25.0%、「ネットのしすぎで遅刻や欠席しがち」が8.8%という結果になりました。

１日平均の利用時間の全体平均は２時間４２分とのことでしたが、このうち男女別に分けると、男子高校生が２時間１３分だったのに対し、女子高生は３時間７分と、男子より女子高生の方が５４分長いことが明らかになっています。

またスマホ・ガラケーでのネット利用が平均２時間４２分だったのに対し、パソコンが４０分、タブレット端末が１４分と、モバイル端末の携帯電話でのネット利用が圧倒的に多いことも分かりました。

橋元良明教授（東京大学）
「インターネットの利用時間は男子より女子の方が長いが、その一方で男子の方がネット依存の自覚が薄く、学業や友達付き合いに悪影響が出るケースが多い」

ネット依存の傾向

今回の調査結果から、ネット依存傾向を３段階で判定。その結果、ネット依存傾向「高」が4.6%、「中」が55.2%、「低」が40.2%となりました。

「高」と判断された割合と男子と女子に分けた割合を見ると、男子が3.9%・女子が5.2%となっており、女子高生の方が高い結果となりました。

学年別に分けた割合で見ると、１年生が5.2%、２年生が4.8%、３年生が3.7%となっており、低学年になればなるほど高くなる結果に。

なお、ネット依存傾向が「高」と判断された高校生らのスマホ・ガラケーの利用時間は１日平均262.8分（4時間22.8分）となり、うち「ソーシャルメディアを見る時間」が113.5分（1時間53.5分）、「ソーシャルメディアに書き込む時間」が78.8分（1時間18.8分）、「ソーシャルメディアで無料通話をする時間」が22.5分。利用時間の80%以上はソーシャルメディアに費やしているという結果となりました。

その他に多かったのが「動画投稿サイトを見る時間」で47.9分、「オンラインゲームをする」で37.9分など。Youtubeなどの動画サイトや、パズドラなどのゲームアプリにも多くの時間を費やしているようです。

診断に利用した20項目
1. 気がつくと、思っていたより長い時間ネットをしていることがある
2. ネットを長く利用していたために、家庭での役割や家事(炊事、掃除、洗濯など)をおろそかにすることがある
3. 家族や友だちと過ごすよりも、ネットを利用したいと思うことがある
4. ネットで新しく知り合いを作ることがある
5. 周りの人から、ネットを利用する時間や回数について文句を言われたことがある
6. ネットをしている時間が長くて、学校の成績が下がっている
7. ネットが原因で、勉強の能率に悪影響が出る
8. 他にやらなければならないことがあっても、まず先にソーシャルメディア（LINE、Facebookなど）やメールをチェックすることがある
9. 人にネットで何をしているのか聞かれたとき、いいわけをしたり、隠そうとしたりすることがある
10. 日々の生活の問題から気をそらすために、ネットで時間を過ごすことがある
11. 気がつけば、また次のネット利用を楽しみにしていることがある
12. ネットのない生活は、退屈で、むなしく、わびしいだろうと不安に思うことがある
13. ネットをしている最中に誰かに邪魔をされると、いらいらしたり、怒ったり、言い返したりすることがある
14 .夜遅くまでネットをすることが原因で、睡眠時間が短くなっている
15 .ネットをしていないときでも、ネットのことを考えてぼんやりしたり、ネットをしているところを空想したりすることがある
16. ネットをしているとき「あと数分だけ」と自分で言い訳していることがある
17. ネットをする時間や頻度を減らそうとしても、できないことがある
18. ネットをしている時間や回数を、人に隠そうとすることがある
19. 誰かと外出するより、ネットを利用することを選ぶことがある
20. ネットをしている時は何ともないが、ネットをしていない時はイライラしたり、憂鬱な気持ちになったりする

Web業界も「女子」をターゲットにしたサイトが多い

男性よりも女性の方がインターネットに触れる時間が長いことなどが関係あるのか、Webサイトでも女性向けに特化したサイトが多数あります。

ガールズちゃんねる
Girls Channe（通称：がるちゃん）。株式会社ジェイクスクエアードが運営する匿名掲示板で、ターゲットを明確に「女子」としています。また掲示板の住人も「男子が書き込むのを嫌う傾向」がある模様。キャッチフレーズは「女子の好きな話題で毎日おしゃべり♪」
リンク：ガールズちゃんねる – Girls Channel –

マイナビウーマン
恋愛・仕事・ライフスタイルなどに関する女性の声、役立つノウハウをはじめ、恋愛小説やコラムなどのコンテンツを掲載している女性総合サイト。キャッチフレーズは「働く女子を応援する」
リンク：働く女子の恋とシゴトと本音がわかる！「マイナビウーマン」

ウートピ
女性のためのニュースサイト。女性にとって重要なトピックを取り上げ、同じニュースでも女性ならではの視点で切り取って掲載。キャッチフレーズは「”女性”をちょっと生きやすくするオンナ目線のニュースサイト」
リンク：ウートピ｜オンナ目線のニュースサイト

その他

関連リンク（高校生のネット依存傾向に関する調査）

画像出典：総務省｜「高校生のスマートフォン・アプリ利用とネット依存傾向に関する調査」（速報）の公表

画像出典：www.soumu.go.jp/iicp/chousakenkyu/data/research/survey/telecom/2014/internet-addiction.pdf