北海道南幌町の殺人事件で孫娘の女子高生を逮捕-母親と祖母を殺害

■2014/10/1　16：50 最終更新■

北海道南幌町西町２丁目の住宅で１０月１日、住人の佐竹須三代さん（７１）と佐竹和美さん（４７）が死亡しているのが見つかった殺人事件で、北海道警は孫娘の女子高生（１７）を殺人容疑で緊急逮捕したと発表しました。

この事件は当初、部屋に荒らされたような形跡があったことから、警察は強盗殺人事件の可能性を視野に捜査していました（参考：北海道南幌町西町で強盗殺人事件-親子の女性2人死亡）。

しかし、２人が殺害されていた現場の状況などから、同居する孫娘の女子高生が事件について何らかの事情を知っている可能性が高いとみて、事情を聴いていたといいます。

そして聴取の結果、女子高生が２人を殺害したことを認めたことなどから、殺人容疑で緊急逮捕したということです。

女子高生は、祖母の佐竹須三代さん、母親の佐竹和美さん、長女（２３）の４人暮らし。女子高生は自宅敷地内の離れで暮らしており、事件当時も「離れで就寝中だったが無事だった」と発表されていました。

警察によると女子高生は、２人を刃物で切りつけるなどして殺害した疑いが持たれているということです。

室内が荒らされていたのは、何かを奪うためだったのか、外部の物盗りによる犯行に見せるためだったのか、現時点で目的は不明。また、殺害した犯行動機も不明です。

警察は、事件に至った経緯や犯行動機など、さらに詳しく捜査を進めていく方針です。

殺人容疑で逮捕された女子高生の今後

容疑者を逮捕した警察は、逮捕から48時間以内に容疑者の身柄を検察へ送致（これを一般に「送検」という）しなければなりません。

検察官は、警察から容疑者を送検された後、24時間以内に裁判所に勾留請求を行います。

この勾留請求を受けた家庭裁判所が請求を認めた場合、容疑者の身柄は10日間にわたり警察署の留置場へ勾留されることが決定します。

なお、１つの事件で警察に勾留できる期間は原則として最大20日間までとなっており、最初に認められた10日間で捜査が終わらないなど何らかの事情がある場合は、さらに10日間の延長勾留が可能です。

重大な事件や共犯者が多い事件などは延長される傾向が強く、今回のような殺人事件の場合はほぼ間違いなく延長勾留され、20日間勾留となります。

その後は、少年鑑別所という施設に入所することになり（これを観護措置という）、最短２週間～最長８週間をこの施設で過ごします。

収容期間は４週間となるケースが一般的ですが、今回のように重大な事件の場合、８週間にわたり収容されることもあります。広島LINE事件の少年少女らは８週間収容されています。

鑑別所はあくまでも少年の非行性や性格等を「鑑別する」ための施設で、犯罪を犯したことによる罰や更生のために収容される施設ではありません。

この鑑別期間が終了すると、少年審判（成人でいう刑事裁判）が開かれ、そこで最終的な処分が言い渡されます。今回の女子高生においては、中等少年院送致になるものと思われます。

一般的に、家庭裁判所から言い渡される審判結果における処分の重さについては、逆送＞少年院送致＞試験観察＞児童自立支援施設等送致＞保護観察＞不処分、というような形になります。

もしもここで逆送（検察官送致）の決定を言い渡された場合は、起訴され成人と同様の刑事裁判へと移行します。広島LINE事件の少年少女（主犯の２人）も逆送されています。

明日１０月２日に送検されると仮定した場合、概ね以下のような流れで女子高生の処分が決定されます。

殺人容疑で逮捕された女子高生の今後の処分や流れなど

殺人事件発生～女子高生の処分決定までの流れ予想

時期	内容
2014/9/30	夜中～翌１日未明にかけて、祖母の佐竹須三代さんと、母親の佐竹和美さんを殺害
2014/10/1
	AM2:30頃、娘(23)が仕事を終えて帰宅し、死亡している母親と祖母を発見
	通報を受けた警察が現場に駆けつけ、２人の死亡を確認。部屋に荒らされたような形跡があったことから、強盗殺人事件の可能性を視野に捜査を開始
	PM3:30頃、北海道警が、娘の女子高生(17)を殺人容疑で緊急逮捕したと発表
2014/10/2
	送検（10/3になる可能性もあり）
	勾留開始
2014/10/11	勾留期限のため10日間の勾留延長が行われる
2014/10/21	少年鑑別所に送致（観護措置）
～	鑑別所にて、女子高生の非行性や性格、事件に至るまでの心理状態など様々なことを鑑別する
2014/11中旬～12中旬	少年審判
その後	中等少年院送致（または逆送）

殺人罪などの法定刑

親子殺人事件に関するTwitter関連投稿

殺人事件現場付近（南幌町西町2丁目）場所の地図