イスラム国で戦闘員として働く-北大生らシリア渡航計画容疑で捜索

■2014/10/7　10：21 最終更新■

イラクやシリアで活動するイスラム過激派組織「イスラム国」に参加する目的でシリアに渡航しようとしたとして、警視庁公安部は１０月６日、北海道大学の男子大学生らから任意で事情を聴くとともに、関係先を家宅捜索するなどしました。

私戦予備および陰謀の容疑で事情を聴かれているのは、北海道大学の大学生（２６）ら複数の日本人です。

この北大生はイスラム教徒で、現在大学は休学中。数ヶ月前から、知人らと東京都杉並区のシェアハウスで暮らしていました。近所の住民の話によると、男性３人と女性１人くらいで集団生活をしていたとのこと。

捜索容疑は、”イスラム国に戦闘員として加わることを目的に、海外渡航を企てた”疑い。

捜査関係者によると、この北大生とは別の日本人がイスラム国への参加を呼びかけ、複数の日本人で渡航を計画していたということです。関係者から情報提供があったことで事件が発覚。

北大生は公安部での事情聴取に対して「シリアに渡航して、イスラム国に加わり戦闘員として働くつもりだった」などと供述し、容疑を認めているとのこと。

イスラム国には外国人戦闘員が多数いますが、日本人がイスラム国に参加しようとしているのが発覚するのは初めて。また私戦予備および陰謀容疑での強制捜査に踏み切るのも極めて異例です。

公安部は、イスラム国が日本でも戦闘員の勧誘を進めている可能性があるとみて、これらの実態解明に向けて詳細を調べています。

北大生がイスラム国への参加応募をするまでの過程など

捜査関係者の話によると今年５月ころから、東京都千代田区にある古書店にシリア行きを呼びかける貼り紙があったということです。

この貼り紙には「求人　勤務地…シリア　詳細は店番まで」などと書かれており、北大生はこれに応じて応募したものとみられています。

北大生以外にも複数の日本人が応募していました。

そして、求人に集まった日本人らは、シリア周辺国からの不法入国を計画。既にシリア周辺国への航空券も購入しており、１０月７日には出国予定でした。

現在、日本からシリアへの入国ビザは発行されていないため、周辺国から不法に入国するしか方法はないといいます。

警視庁公安部は北大生含め応募した日本人の旅券は全て押収しており、応募者のシリアへの入国は確認されていません。

なお、北大生はフリージャーナリストと今年８月にもイスタンブール経由でシリアに渡ろうとしていましたが、直前に中止になっていたとの情報もあります。

この際、フリージャーナリストは往復の航空券でしたが、北大生だけは片道の航空券でした。そのまま現地に残り、戦闘員としてイスラム国に加わる予定だった可能性も。

古書店に貼り紙を出していたのはシリアに渡航歴があり、イスラム国関係者とも接触していた日本人男性で、公安部が事情を聴いています。

古書店に貼られていたシリア行きを呼びかける求人は、インターネット上にも掲載されていました。

イスラム国

イスラーム国（イスラームこく、アラビア語: الدولة الإسلامية‎‎、翻字：ad-Dawlah al-ʾIslāmiyyah、英語: Islamic State、略称：IS）は、イラクとシリアで活動するサラフィー・ジハード主義組織である。2014年6月29日、カリフ制イスラーム国家の樹立を宣言し、イラクとシャームのイスラーム国（アラビア語: الدولة الاسلامية في العراق والشام‎、略称: داعش（ダーイシュ）、翻字: Dawlat al-ʾIslāmiyya fi al-‘Iraq wa-l-Sham）から改称した。国家と自称するものの、日本・欧米諸国などに留まらず、周辺のスンニ派イスラム教諸国からも国家として承認されていないほか、「イスラーム国」という名称への批判もなされている。（後述）
イラク、シリアなどの中東諸国を、サイクス・ピコ協定に代表されるヨーロッパの線引きにより作られた「サイクス・ピコ体制」だとしてこれを否定し、武力によるイスラーム世界の統一を目指している。

出典：イスラーム国 – Wikipedia

私戦予備罪・私戦陰謀罪

私戦予備罪とは、外国に対して私的に戦闘行為をする目的でその準備（予備）をする罪で、私戦陰謀罪とは、外国に対して私的に戦闘行為をする目的でその陰謀をする罪のこと。

国交に関する罪 -私戦予備罪・私戦陰謀罪-

本罪の行為は外国に対する私的な戦闘行為の予備・陰謀であり、「外国に対して私的に戦闘行為をする目的」を必要とする目的犯である。
なお、自首した者は、その刑を免除するとされている（刑法93条2項）。これは必要的免除である。

出典：国交に関する罪 – Wikipedia

法定刑

日本人のイスラム国参加騒動に関するTwitterでの反応